この記事では、債務整理した後に住宅ローンを組んで家を買えるのか?という疑問について解説します。

「債務整理したいが、生計を立て直した後いずれは家を持ちたい」
「借金の完済後に住宅ローンが組めるか心配」

という方も多いのではないでしょうか?

実は、債務整理をしても、将来的には住宅ローンを組むことは可能です。

この記事では、そのことについて詳しく解説していきます。

なお、住宅ローンを返済中で債務整理を検討している方は下記の記事をご覧ください。

債務整理したら返済中の住宅ローンはどうなる?

住宅ローンを組む時には審査が必要

住宅ローンの融資を受ける場合は審査が必要ですが、まずはその仕組みから解説していきます。

与信調査

金融機関からマイホーム購入の住宅ローン融資を受ける時、金融機関は利用者が融資先として安全かどうか審査しなければなりません。

そのために金融機関は、「信用情報機関」というところへ照会し、個人の支払い履歴など信用情報の調査をします。

この調査を与信調査と呼び、与信調査の上、最終的には金融機関独自の判断で審査結果を出しています。

信用情報機関

信用情報機関は、個人の信用情報を管理している機関です。

個人がクレジットカードの申し込みや、ローンの申し込みをした時には、この信用情報機関に個人情報が登録されます。

登録される個人情報は、氏名、住所、生年月日、職業、勤務先、年収、勤続年数などの基本事項、さらにローンの利用状況、返済状況、遅延情報、債務整理などの情報も、利用先の各金融機関から随時提供、記録されていきます。

なお、信用情報機関には以下の3種類があります。


信用機関 会員
(株)日本情報信用機構(JICC) 消費者金融、信販会社系
貸金業法指定信用機関(CIC) クレジットカード会社系、信販会社系
全国銀行個人信用情報センター(JBA) 銀行系、信金系

3つの信用情報機関は情報を共有することができ、消費者金融の借金を整理したときでも、銀行系のJBAにも登録されます。

個人信用情報への債務整理の影響

上記のように、債務整理した時も、事故情報として個人信用情報に記録されていきます。

債務整理中には、「新規の借り入れやクレジットカードの申し込みができない」というルールがありますので、債務整理の記録がある間は、住宅ローンを組むことはできません。

個人信用情報への事故情報記載期間~一生ローンを組むことができないのか?

個人信用情報に債務整理の記録があると住宅ローンを組むことはできないといわれると、債務整理をしたら一生住宅ローンを組むことができないのか?と不安になってしまいますね。

しかし、個人信用情報への事故情報としての記録は、記載される期間が定められています。

債務整理にはいくつか種類がありますが、それぞれ記載期間が異なります。

  • 任意整理:5年
  • 民事(個人)再生:5年から10年
  • 自己破産:5年から10年

一般的には、この期間を過ぎると記録は消滅するといわれています。

つまり、「この期間を過ぎれば、住宅ローンを組むことは可能」ということです。

個人信用情報は自分で開示確認することもできます。

個々の債務整理の状況などにより記録期間が変わることがありますので、住宅ローン申し込みを考えているときには、事前に確認してみると安心でしょう。

債務整理をする時の注意

次に債務整理する時の注意点を解説していきます。

任意整理

任意整理のメリットとして、整理する債務の選択があります。

将来住宅ローンを組む可能性がある場合は、できれば銀行からの借り入れを対象からはずし、クレジットカード会社、消費者金融のみを整理することが好ましいでしょう。

銀行からの債務も整理してしまうと銀行独自のリストにも記録が残る可能性があり、何年後も審査に通らないという可能性も考えられます。

民事(個人)再生

民事(個人)再生では、信用情報の記録が消えた時点で、住宅ローンの申し込みは可能となります。

民事(個人)再生においては、債務の選択をすることができません。

銀行系だけを対象からはずすことはできず、クレジットカード会社、消費者金融と一緒に全ての借金を一括で整理をします。

そのため、銀行での債務があった場合は銀行独自のリストに記録が残る可能性があり、債務整理をした銀行では審査通過がさらに難しくなります。

信用情報の記録が消えても、住宅ローン申込み時の収入等によっては審査に通るとは限らないので注意が必要です。

自己破産

自己破産の場合、全ての借金の支払いを免除されているので、銀行系、クレジットカード、消費者金融とも整理されています。

信用情報には5年から10年の間、事故情報としての記録が残りますので、記録消滅を待ってから住宅ローンの申請を行うことになります。

なお、民事再生と同じく、銀行での債務があった場合は銀行独自のリストに記録が残る可能性があり、債務整理をした銀行では審査通過がさらに難しくなります。

まとめ

債務整理後に住宅ローンが組めるかどうかを以下にまとめます。

任意整理

  • 整理する債務の選択ができるというメリットを生かし、返済が可能である限り銀行系の債務は整理対象からはずすとよい
  • 約5年後には個人信用情報の金融事故情報が消滅し、住宅ローンの申請が可能

民事(個人)再生

  • 銀行系を含めすべての借金がまとめて整理される
  • 5年から10年で個人信用情報の事故情報が消滅し、住宅ローン申請が可能

自己破産

  • 銀行系を含めすべての借金支払いが免責となる
  • 5年から10年で個人信用情報の事故情報が消滅し、住宅ローンの申請が可能

 

なお、どの方法が自分に合っているかは、債務整理の専門家である弁護士や司法書士の無料相談を利用するのが便利です。

当サイトでは、債務整理を扱う弁護士・司法書士を地域別にまとめていますので、そちらも参考にしてみてください。

地域別の弁護士・司法書士一覧

 

また、債務整理の口コミや、評判の高い法律事務所についても紹介しています。

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